
こんにちは、Miyaです。
「終天教団」を全てクリアした感想を述べます。
本記事は「ネタバレあり」の感想となります。
プレイ前の方はご注意ください。
良かった点
悪かった点
初めに
「HUNDRED LINE -最終防衛学園-」が発売されて間もなく、本作の「終天教団」が発表されることを2chまとめ系の動画で知る。その時から気になっていたものの、既に発売されていたことに気付かず、発売してから1週間後ぐらいに気付いた。
今作の製作陣は、恒例の「ダンガンロンパ」を制作した小高さん、自分が最も好きな作品の「ルートダブル -Before Crime * After Days」を制作した中澤さんがメインスタッフ。面白くないわけがありませんね。
感想
終天教団の教祖の死体が空から降ってくる場面から話が始まる。
序盤に、「どの幹部が犯人か?」を予測し、各幹部のストーリーに突入するが、「誰が犯人なのかを“当てる”」ではなく「誰が犯人なのかを“決める”」のが新鮮で面白かった。(まぁ5分の4は間違ってるんだけど)
シナリオ選んだ順
伏蝶 まんじ:警備省ルート
犬神 軋 :法務省ルート
伊音 テト :科学省ルート
黒四館 仄 :文部省ルート
丑寅 幽玄 :保健省ルート
上の順番でプレイした理由
最初のシナリオ選択画面で、「どれにしよっかな~」と思ってたら、全くその気はなかったのにうっかり「警備省ルート」でOKを押してしまい、折角だからそのまま進めることに。終天教団の構成を説明する際の図で、たまたま警備省が一番右にあったので、右から順番にプレイしていく形にした。
どうでもいいけど、自分がプレイした順番が、たまたまニンテンドー公式サイトの説明と同じ順番だった。
面白かった順
科学省 >= 保健省 >>>> 法務省 > 警備省 > 文部省
科学省ルートと保健省ルートが非常に面白かった。
逆に他の3つが微妙すぎる。
プレイ時間
総合:53時間ぐらい
警備省ルート終了時点:見てなかった
法務省ルート終了時点:15時間10分
科学省ルート終了時点:25時間50分
文部省ルート終了時点:34時間53分
保健省ルート終了時点:43時間6分
最終章終了時点 :53時間
上記の通り、大体1ルートあたり10時間前後。
とはいえ、他の感想記事などを見ていると、30~40時間ぐらいでクリアしている人がほとんどだったので、ボイスを聞かずに飛ばし飛ばしプレイすると1ルートあたり6~7時間ぐらいか。自分はほとんどボイスを聞いた。プレイする前に、「クリアまで40時間」と見たので「話が違うじゃねえか!」とはちょっと思った。みんなちゃんとボイス聞けよ。
全体的なゲームシステムについて
マップでキャラクターを動かして、対象物を調べるアクションが度々登場するが、動きが遅すぎるのと、ただ横に動くのではなく、地味に3D動作であり、絶対通れそうな場所も多少の段差で通れないのがストレスだった。そもそも会話の中で急にアクションシーンに移行して、またキャラクターに話しかけてを繰り返す、みたいに不要なところが多々見られた。事件の捜査パートとかならまだしも、普通の会話に入れ込むのはやめてほしい。
ただ、正解の選択肢の前に確認が入るのはいいと思った。ダンガンロンパでは「色々と調べてから次のシーンに行きたくても、うっかり正解を踏んじゃって調べられなかった」みたいなことはよくあったので、そこが改善されているのは良かった。
また、場面移動の際に、ロードのタイミングで前回のマップの画面が表示されることがある。
例えて言うなら、軋と零がホテルに到着。そこからホテルで一悶着あり、伏蝶と一緒に教団に向かう、というシーンがあったとすると、伏蝶と寸前まで話していたにも関わらず、次の場面移動のタイミングで、ホテル前に軋と零が佇んでいるシーンが数秒表示される、といったような感じ。これがそこそこの頻度で発生する。
コレ、戸惑うというか、非常に興が削がれるのでやめてほしい。一瞬なんかの演出か、とも勘違いするし。適当に教団のロゴでも表示してくれたほうがまだ良い。「自分が神経質なだけかな」とも思ったが、他の感想記事で触れてる人もいたので、改善したほうがいいんじゃないかな~。
最後に、5つのシナリオをクリアした後に「解決編(最終章)」が用意されていたのは良かった。どのゲームも基本的に「解決編」とか「トゥルーエンド」に相応するルートがあるけど、残念ながら「HUNDRED LINE -最終防衛学園-」では存在しなかったからね・・・。
各ルートごとの感想
各ルートの感想を簡潔に述べていく。
■伏蝶 まんじ:警備省ルート
ゲームシステム「ステルスアクションホラー」
このゲームは全体的に操作感がお世辞にも良いとは言えないので、アクション要素がメインのこのシナリオは微妙だった。アクションに時間を取られる関係上、テキストも少なくてストーリーも薄い。最終章で伏蝶まんじ関連は大幅に補完されることもあり、意図的にそうしている可能性もあるかも。
この章ではウイルスの話がメインになるが、いきなり「ネフィリムは操られてる!」と決めつけるのが話として違和感あった。「その可能性が高い」とかならまだしも。
また、このシナリオ内で一部のシーンでBGMの音量が大きすぎて、キャラクターのセリフがほとんど聞き取れない箇所があった。このゲームが全体的にそういう仕様なのかと思ったが、他のルートではそのようなことは起こらなかったので、このルートだけ音量バランスがおかしい。
■犬神 軋:法務省ルート
ゲームシステム「推理アドベンチャー」
他の人の感想を見ていると、このルートは結構評判が良かったが、個人的には微妙だった。
ダンガンロンパや逆転裁判のように、事件発生から証拠を集めて、犯人を突き止めるというのが一連の流れだが、いずれの事件も用いられたトリックや殺害方法がガバガバすぎるのが気になった。
良く言えば簡易版ダンガンロンパ、悪くいえば粗末なダンガンロンパといった印象。
もちろん、ダンガンロンパの中にもトリックや殺害方法に無理がある章は存在するが、それとはまた別の雑さを感じる。まぁ5つのルートの内の1つという建付けなので、あくまでも簡易版という捉え方が正しいのではないかと思う。
犬神軋のキャラ自体はかなり好きだった。
■伊音 テコ:科学省ルート
ゲームシステム「マルチ視点ザッピングノベル」
プレイしていて、明らかにテコルートはシナリオが分厚いと感じた。終盤に差し掛かり「そろそろ終わりかな?」と思ってからDr.江崎視点が解放されるのは驚いた。
にしてもエグい。結末が予想外過ぎておったまげた。「このシナリオ作った人エグい!」と叫びながらプレイしてた。
Dr.江崎視点で、大月空を通じて心を宿してからの落差がエゲつない。大月空自身に「自分が黒幕」っていう認識がないから、会話の中で伏線というか、怪しさが全くないのがミソか。とはいえ、選択肢によっては頭の中で響く女性の声でDr.江崎の存在が示唆されていて、かつ容姿も髪色が青で背が低い特徴が一致しているのもあって、唐突感がないのも良い。
1つ不満があるとすれば、最後に大月空の人格が零を助けてくれる展開について。展開自体は王道で好きなのだが、その展開をするのであれば、最初にDr.江崎が零に対して種明かしするときに「黒幕は俺だよ」というセリフを大月空の声で喋ったり、Dr.江崎と大月空の声をダブらせる演出は不要だと思った。
あれで「大月空とDr.江崎が共犯だった」「大月空は自分の意志でDr.江崎に協力していた」というようにも捉えられ、その後の展開で「あれ?自分の意志じゃなかったの?」というような余計なノイズが入った。種明かしの際は、大月空の見た目でDr.江崎の声で喋る演出だけで十分だったんじゃないかと思う。
とはいえ、全体的に非常に丁寧で重厚なシナリオ。
最後のテコとの別れも非常に良かった。テコから”友”に向けた、ずっと仲間でいる、という宣言。目の前にいるのが教祖であることを理解しつつ、明言せずに思いを伝えるシーンは感動的だった。正直、この前にプレイしている警備省ルートと法務省ルートの終わり方が突発的な終わり方だったので、今回もそんな感じだったらどうしようと思っていた。
間違いなく傑作シナリオ。
このゲームを買ってよかったとさえ思えるストーリー。
■黒四館 仄:文部省ルート
ゲームシステム「恋愛アドベンチャー(?)」
プレイする前から大方予想はついていたが、たった数時間で学園恋愛をしてもストーリーに厚さが生まれるわけもなく、特に言うことがない。
途中で久遠失華が仄であることはなんとなく想像がついた。が、学校での登場人物が全員仄だった、というのは予想外だった。(といっても誰にでも変装できて声も変えられるのはどうなん?って感じだけど・・・)
ついでに、黒四館 仄の声優が「水瀬いのり」さんだったので、「うおお!3人の中で水瀬さんが声を演じているキャラが正解に違いない!声から当ててやるぞォ!どれだ!?失華の声がそうか!?」と何度も再生してました。それに加えて、Youtubeで「水瀬さんが演じてるキャラクターボイス集」とかを見て照らし合わせたりもしてました。エンドロールを見たら、全員黒四館 仄という設定なのに、全員違う声優でした。〇ね。
■丑寅 幽玄:保健省ルート
ゲームシステム「極限脱出アドベンチャー」
ファーストゲームはそんなに凝ったものでもなかったから、法務省ルートみたいに「デスケームを模したなんちゃってデスゲーム系の話なんかなぁ」と思ってたけど、セカンドゲームはデスゲームの醍醐味である駆け引きが見れて中々面白かった。
そしてサードゲームからの終盤のどんでん返しは最高。
正直最初から幽玄が一番怪しいと思ってたんだけど、招待はルルーシュをさらに極端にしたみたいな奴だった。あの様変わりは鳥肌立った。声優さん良い仕事してますねぇ!
デスゲームは人の本性が現れて、裏切りや駆け引きがセオリーだと思っているが、このストーリーは基本的に悪人がおらず、ギスギスした雰囲気にならなかったのが新鮮だった。
まぁあゆみゅと夜の助はちょっとクズか
橘花あぐがあまりにも怪しすぎるというか、橘花あぐの関係者が集められているって話から「どう見ても生き返るだろこんなん」というプレイヤー側の感情を逆手にとって、最後まで特に出番なかったのは見事に騙された。やっぱり、この「騙された」って感覚はアドベンチャーの醍醐味だよね。
■最終章
保健省ルートでドロイドの話が出た時点であらかた世界の構造は想像ついたけど、零が5人同時に動いてたって話は「お~」てなった。確かに各幹部の話で他の幹部に会いに行くシーンないもんね。強いて言うなら、文部省ルートの時に、青百合を取りに来る伏蝶のシーンがあるくらいか。
それ以外は別にそこまで衝撃的な話はないかな。
犯人解明までの流れも、まぁ手口は特に思いついてなかったけどそこまで衝撃度はなかった気がする。「ああ、なるほどね」ぐらい。ダンガンロンパのような様々な事実が紐解けていく爽快感は薄い。
深夜にプレイしてたのもあるだろうけど、終盤の話が長くてちょっとダレた・・・。
「天使の正体も判明して、いよいよ決着か!?」からの過去編が始まったのは正直「勘弁してくれよ・・・」と思ってしまった。人間とドロイドの歴史を見なきゃだから仕方ないんだろうけど、犯人を追い詰めてテンション上がってきたところでの過去編だったから、ちょっとテンションが落ち着いたような感じはある。
過去編が終わって、天使との対決。なんか心象世界での戦いみたいな感じなんだろうけど、テキストベースだとファンタジー味が強すぎてあまり感情移入できない。教祖が助けに入って、天使の足に杭?みたいなものを打ってくれるところも「お、おう・・・」って感じだった。
なんかうまく言えないけど、最終盤の流れというか、勢いがなんか微妙・・・。「天使を倒した!→残念!まだ生きてます」が3回ぐらい繰り返されたので、ワンパターンにも思えた。もうちょい上手い見せ方あったように思う。
最後の選択肢は、「ドロイドを救う」を選択。てかあれだけクズな天使達を目の当たりにして「人間を救う」を選ぶ人はいるんでしょうか。
その後、もう一度やり直して「人間を救う」を選択。最終章は な ぜ か 途中でセーブが出来ないので、スキップを活用しても1時間ぐらい掛かる。
「選択に責任を持たせる」的な演出の一環なんだろうけど
必要ありません!!!!やめてください!!!
と声を大にして叫びたい。ただ面倒なだけ。
両方の選択肢を見た結果「ドロイドを救う」のほうが終わり方として好み。
「人間を救う」だと25年後にヒメノとマコトの生まれ変わり?みたいなのがいて、ドロイドも記憶はなくなってるけど人間との関係も良好、零と幹部の再開で記憶も蘇ったように見えて、一見すると大団円。
でも25年の空白があるからね・・・。そんでもって幹部以外のドロイドがどうなってるかもわからんし。記憶も蘇るかわからんし。あと天使たちの態度とかやり口見てたら、人間を救う気なんて起きない起きない。あくまでも「お願い!力を貸して!」というスタンスならまだしも、常に上から目線で「ドロイドは人間の物、力を貸すのが当たり前」って態度が無理無理無理。
自分の中では「ドロイドを救う」がトゥルーエンドだと思っておく。
最後に
どうしてもスタッフが小高さんということもあり、「HUNDRED LINE -最終防衛学園-」と比べてしまうが、個人的には「終天教団」の方が好きだった。
「HUNDRED LINE -最終防衛学園-」の感想はこちらで述べています。

いかがだったでしょうか?
異なる意見や感想があれば、よければコメントいただけると幸いです。
コメント