【感想】『ゴースト トリック』コンパクトながら秀逸なシナリオ|GHOST TRICK

はじめに

こんにちは、Miyaです。

今回は『ゴースト トリック』をクリアしたので感想を記載していきます。

本作は既にクリアしていますが、10年以上前なので「面白かった」という記憶はあるものの、主人公の正体ぐらいしか覚えておらず、細部をかなり忘れていたため再度プレイしました。※DS版でプレイ

プレイ時間は11時間ほど。

結論から言うと、非常に完成度の高いシナリオ構成で、起こる出来事が全て繋がっていく爽快感を感じられる作品だった。

そう感じた経緯について、以下に詳細の感想を記載します。

この記事にはネタバレが含まれています。クリア後にお読みいただくことを推奨します。

良かった点

・トリツク、アヤツルというゲームシステム
・伏線回収が綺麗でシナリオの完成度が高い
・読後感の良い結末

気になった点

・終盤の一部展開にご都合主義を感じる
・リンネとカノンの関係性が少し分かりづらい

システム・演出

本作最大の特徴は、死者の魂となった主人公のシセルが「トリツク」「アヤツル」能力を使い、運命を変えていくことにある。アクション自体はシンプルでありつつ、直感的に操作できて面白い。

タイトルの『ゴースト トリック』も

ゴースト トリック
↓
ゴースト トリツク

と言葉遊びになっており、タイトルがそのままゲーム内容を現しているのもお洒落。

本作では、亡骸をアヤツルことで死の4分前に戻って運命を変えていく。

一般的な推理ゲームとは異なり、死ぬまでの経緯を最初から見ることができるため「犯人は誰か」「なぜ死んだのか」を推理するのではなく、「どうやって死を回避するか」を考えるパズルゲームに近い。モノを動かした結果どうなるのかを試行錯誤しながら進める楽しさがある。

また、「死まで3秒」の演出も秀逸。いくらでもペナルティなくやり直せるゲームであるにもかかわらず、焦燥感を煽るBGMによって緊張感が生まれている。見るたびに焦らされる演出だった。

 

シナリオ

本作の物語は「なぜ自分は死んだのか」という真相を探すストーリー。主人公のシセルは自分が何者かすら分かっておらず、文字が読めず、一般常識も欠落している。そういった『記憶が混乱している』ように見える小さな違和感が、最後に明かされる正体の伏線となっている。

この作品の一番の魅力は、物語全体を通して全ての出来事や登場人物が綺麗に繋がっている点。

ジョードが刑務所で描いていた絵が、自分(シセル)だったシーンはゾクッとくる。その後、「今まで協力してくれていたリンネが、自分を撃った犯人かもしれない」という疑念まで生まれ、物語が進むにつれて盛り上がっていく構成になっている。

途中で出てきた「なぜかカノンが一度死んでいる」というのが、後半に出てくる公園での事件と繋がったり、伏線回収の要素も多い。

また、後半で同じ形のモノを「トリカエル」能力が出てきて、アクション要素に幅が出ることに加えて、ミサイルと協力する展開もアツい。チカラを得る方法が「放射線を浴びながら死ぬこと」であり、公園で死んだミサイルだけチカラを手に入れたことにも筋が通っている。

そして、終盤にかけて更に盛り上がりを増していく。

ずっと敵対していたヨミエルが協力してくれるのは王道ではあるもののアツい展開。相棒だった黒猫がヨミエルの近くで死んだことで、放射線を浴びたから能力を得たというのも話として違和感がなく綺麗。

プレイヤー画面の見え方で「ヨミエルの後ろにシセルが隠れていたため、自分が何者かがわからなかった」というのもゲームという媒体を活かした演出で好き。

ヨミエルが暗闇の中を一人で歩いているシーンは思わず泣いちゃった。

 

シセルとヨミエルがお互いに感謝を伝える場面も泣いちゃう。

 

そして、最後に案内人であるクネリの正体が老いたミサイルだったことが明かされる。ここは鳥肌が立った。
ここまで「リンネとカノンのためなら何でもする」というのを身を持って証明してきたミサイルだからこそ
「ここまでやった」という結末に強い説得力があった。

気になった点

一部の展開にご都合主義を感じる

「死後1日以内の死体じゃないとダメ」という制限があるのに、ヨミエルの死で10年前に戻れるのはかなりご都合主義を感じた。まぁ、最後にミサイルから「本当は死者の魂が消滅することはない」と明かされるから、それが10年前に戻れたことの説明になるのかもしれないが。

また、老いたミサイルが「自分の能力だけだと足りないから10年前に戻ることにした」と言うけど「そんなあっさり戻れるものなの?」とは思った。「ミサイルにも死の瞬間に戻る能力があった」とすれば一応の説明はつくものの、少なからずご都合主義を感じる設定ではある。

 

リンネとカノンの関係性

二人は同じ家に住んでおり、カノンはリンネを「お姉ちゃん」と呼ぶため、ずっと姉妹だと思ってプレイしていた。当然、ジョードとリンネも親子だと思い込んでいたため「親子の割にはなんだか会話が他人行儀だな~」と思っていた。

終盤になってようやく「あ、血縁関係じゃないのか」と気付いたが、かなり分かりにくい。一言ぐらい姉妹じゃないことについて言及してほしかった。キオクの項目などに「近所の子」の説明が一文あるだけでも良かったように思う。

これによってシナリオの良し悪しが変わるわけではないが、普通に戸惑わされたので一応記載。

 

総評

実際のプレイ時間は11時間ほどの中で、プレイヤーが操作している時間が半分ほど占めるので、テキストの量としてはかなり少ない。

しかし、モノにトリツクことで運命を変えるというゲームシステムがそのまま物語の根幹になっており、登場人物や出来事が全て一本の線として繋がっていくシナリオ構成が秀逸。伏線回収が多いのも自分の好み。

多少のご都合主義はあるものの、キャラクターの行動には説得力があり、違和感を覚える場面はほとんどなかった。最後にずっと立ち絵が出てなかったジョードの奥さんまで出てきて、誰も死なないハッピーエンドを迎えるため読後感が非常に良い。

今なお名作として語られる理由を十分に感じられる作品だった。

コメント

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