
はじめに
こんにちは、Miyaです。
今回は『Detroit:Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)』をクリアしたので感想を記載していきます。
本作の特徴は、プレイヤーの選択によって物語が大きく変化するマルチエンディングシステム。細かな選択の積み重ねによってキャラクターの運命やストーリー展開が変化し、それぞれ異なる物語へと繋がっていく。
結論として、プレイヤーの選択によって物語が細かく分岐する作り込みには素直に驚かされた。一方で、「選択によって自分だけの物語が作られる」というコンセプト自体は、個人的にはあまり刺さらなかった。
そう感じた経緯について、以下に詳細の感想を記載します。
良かった点
気になった点
クリア状況
■1周目
・コナー編:操作をミスってハンクが最後の戦いで死亡、 アマンダの解除方法が分からなくてマーカスを射殺
・カーラ編:アリス、ルーサー生存。チケットがどこで手に入るかわからず、ウロウロしてたら体温検査されて全員死亡。
・マーカス編:ノース、ジョッシュ、サイモン全員生存。平和を解いてる途中でコナーに射殺される。
■2周目
1周目がもう少しで全員生存エンドだったようなので、全員生存エンドだけ見る
グラフィック
「実写と見間違える」とまでは言わないものの、少なくとも自分がプレイしたゲームの中ではトップクラスに良かった。
また、特に印象的だったのはキャラクターの動き。一般的なゲームキャラクターのようにキビキビ動くのではなく、スティック入力に対して少しゆったりと反応する。ほとんどの場面で走ることもできず、実際の人間と同じぐらいの速度で移動する。「ゲームキャラクターを操作している」というより、「映画の登場人物を動かしている」ような感覚だった。これは他のゲームではなかなか味わえない体験だと感じた。
背景やオブジェクトの作り込みも非常に高水準。
渋谷にありそうな巨大電光掲示板を登ったり、テレビ中継の映像越しにキャラクターを操作したり、非常に面白い演出を味わえた。


システム
本作最大の特徴は、プレイヤーの選択によって物語が変化するマルチエンディングシステム。細かな分岐まで含めると膨大な数の展開が存在し、同じゲームを遊んでもプレイヤーごとに違う物語になる。
その作り込みについては素直に凄いと思う。ただ、個人的にはあまり好みではない。
というのも、自分は分岐自体は嫌いなわけではなく、むしろ好きな部類。ただし、様々な分岐を巡りながら、最終的に一つの真実へ収束していくタイプの作品の方が好み。
一方、本作では「あなたが選んだ選択そのものが物語になる」という考え方が強い。
もちろん、それこそがゲームならではの体験であり、本作が高く評価されている理由でもあると思う。実際、小説やアニメでは実現しにくい構造であり「プレイヤー自身が選択し、その責任を負う」という体験はゲームだからこそ成立する。
しかし、自分は「この作品が最終的に何を描きたかったのか」「どのような真実へ辿り着くのか」という製作者側の意図を享受したいので、それをプレイヤーに委ねるような構造にあまり魅力を感じない。
また、分岐を埋めようとする場合の仕様にも問題がある。
それが、チャプターの途中で選択肢をやり直しても、その後のシーンをチャプターの最後までプレイしなければ更新されない点。会話スキップやアクションスキップもなく、移動も遅いため、一つの分岐を回収するだけでとんでもなく時間が掛かる。
「細かな分岐回収を繰り返す」のではなく「一周を通して楽しんでほしい」という制作側の意図だと思うが、こういった分岐を扱っている作品としてはかなり不親切。
とてもじゃないが「全て埋めよう」という気にはなれなかった。
シナリオ
物語は「コナー、カーラ、マーカス」の三人を中心に展開する群像劇。この構成は面白かった。
マーカスが起こした事件をコナーが捜査したり、それぞれ別々の場所で活動していた三人の物語が徐々に交わっていく。ジェリコで3人が揃った場面はかなりテンションが上がった。
また、一周15時間程で完走できるため、全体的なテンポも良い。ただ、その反面で描写不足を感じる場面も少なくなかった。
例えば、カーラ編のズラトコ邸での話。カーラが記憶を失ってから、記憶を取り戻すまでが爆速で、カーラ本人の混乱や葛藤を感じる前に元に戻ってしまった印象が強い。
また、マーカス編で初めてジェリコに到着した際、住民たちは『ここで緩やかに死んでいく。余計なことをするな。』と外部との関わりを拒絶していたにもかかわらず、物資奪取作戦を提案すると、特に大きな反発もなく「一緒に付いていく」と言い出す。「え?いつの間に心変わりしたの?」と戸惑った。
上記のように、そこに至るまでに「なぜそうなったか」という過程が省略されている場面があり、唐突感がある場面があった。物語においてテンポは重要だとは思うが、その一方で会話や交流の積み重ねがキャラクターへの愛着だったり、行動への説得力を生むと考えているので、このあたりは少し丁寧に描いてほしかった。
そもそも、クリアするのに一周15時間程の作品でありながら、移動や調査などプレイヤーが操作を行っている時間も長く、純粋なシナリオの分量としてはそこまで多くない。キャラクター同士の交流や心情描写が不足しているように見えるのは、その影響も大きいのかもしれない。
分岐の多さは本作の魅力だが、その代償として一つ一つのシナリオやキャラクター描写は薄くなってしまっているように感じるのは気になった。
世界観
このゲームでは、人間そっくりのアンドロイドが普及し、人間社会に深く浸透しているが、作中の多くの人間はアンドロイドに対して嫌悪感や差別意識を持っている。この設定に違和感を覚えた。
見た目はほとんど人間と変わらず、LEDがなければ見分けも難しい。スポーツや芸術など、多くの分野でアンドロイドが浸透しているにもかかわらず、日常描写を見る限り、大体の人間ががうっすらとアンドロイドに対して差別意識を持っており、露骨に見下しているように見える。
アンドロイドを必要としているのか、それとも拒絶しているのか、人類側がどういうスタンスなのかが最後まで掴みきれず、世界観全体として歪さを感じた。
また、本作は『パワプロクンポケット』に似てる。(検索しても同じ考えの人全然出て来なかったけど)
人間と見分けがつかないアンドロイドが社会に溶け込んでいる世界観や、主人公の選択によって変わるマルチエンディングシステムなど。かなりの共通点を感じた。

なんとこの作品の主人公も『アンドロイド』だ!
ただ、『パワプロクンポケット』の世界では、アンドロイドは企業によって極秘に作られ、アンドロイドであることを人間に知られても、特に差別などはなく一緒に活躍している。「だから本作もそうすべきだ」なんて暴論は言うつもりはないが、差別するなら納得のいく理由が欲しいところではある。
もし本作の中に、アンドロイド反対派だけでなく、アンドロイド推進派も登場していたら、人によって考えが違うということでまだ納得がいったかもしれない。
総評
本作は、間違いなくゲームだからこそ成立する作品。
プレイヤーの選択によって物語が変化し、その結果を自分自身の物語として体験する。この構造はアニメや漫画、映画などの他媒体では表現できない。
だからこそ本作を高く評価する人がいる理由も理解できる。一方で、自分は一つの物語や真実へ収束していく作品の方が好みだと改めて実感した。
自分の好みとは異なる部分も多かったが、「ゲームだからこそ表現できる体験」を強く意識させられた作品であり、楽しめた部分も多くあった。
総評
Bルートの既視感など、途中で評価が揺らぐ部分もありつつ、Cルート以降の予想を裏切る展開やA2と9Sの群像劇から合流する流れ、ポッドの意思が芽生える描写など引き込まれるものも多かった。その分、Eルートでは大団円の結末を期待していたので、呆気なく終わってしまったのは少し残念。
全ての展開や設定に納得できたわけではないものの、先が気になる物語の見せ方や熱い演出の数々は前作を大きく上回っていると感じ、総合的に見て明確に楽しめた作品だった。


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