【感想】『グノーシア』人狼部分が苦痛すぎる|GNOSIA

はじめに

こんにちは、Miyaです。

今回は『グノーシア』を真エンドまでクリアしましたので感想を記載します。

プレイ時間:14時間半

本作は数年前にクリア済みですが、自分の中であまり評価が高くありませんでした。

先日、Xにて個人的なADV作品のTier表を投稿し「伏線回収が好き」と添えたところ、「伏線回収が好きなのに『グノーシア』が低いのはおかしい」と指摘を受け、細部は忘れかけていたので「今やったら評価変わるかも」と思い再度プレイした次第です。

結論としては、ストーリーの大筋は良いものの、人狼パートがとにかく茶番で苦痛であるために全体として作業感が強く、キャラクターへの感情移入が難しい作品だった。

以下に詳細な感想を記載します。

この記事にはネタバレが含まれています。クリア後にお読みいただくことを推奨します。

良かった点

・タイムリープ構造のシナリオと演出

気になった点

・駆け引きのない「人狼パート」の作業感
・それによるキャラクターへの感情移入のしにくさ
・特記事項の運要素と作業感

「人狼パート」が苦痛

まず初めに、自分はかなり「人狼」というコンテンツが好き。

『人狼ジャッジメント』や『人狼殺』など、そこそこの時間を不毛なレスバトルに費やしてきたので、人狼の魅力や立ち回りのセオリー、そして「人狼のしょうもなさ」も理解しているつもり。

そんな自分から見て、グノーシアの「人狼パート」は人狼とかけ離れてると言わざるを得ない。

そもそも、相手がリアルなプレイヤーではなく、定型文しか喋らないNPCであるため、論理も駆け引きも存在しない。本作の人狼パートは「人狼の皮を被ったミニゲーム」というのが個人的な意見。

基本的に人狼は「誰を占った」「その理由」「それに対しての各プレイヤーの考え」「各プレイヤーの盤面の見え方」などの要素で、誰が怪しいかを“発言から”見定めていくゲームだと思っている。『人狼ジャッジメント』や『人狼殺』も、チャットか肉声かの違いはあるものの、概ねそう捉えて問題ない。

しかし、本作では「発言から見定めていく」ような要素は一切存在しない。なぜなら、最も大事な「発言」が定型文しかないから。

とはいえ、相手がNPCなので定型文しか喋らないのはしょうがないと思っているし、別にNPCとリアルな人狼がしたいわけでもない。これがただの「ミニゲーム」だったなら、やりたい人はやればいいし、やらない人はやらなきゃいい。そりゃそう。

でもこのゲームは違う。

ストーリーを進めるにはやらざるを得ない。しかも何周も。

人狼パートを「茶番」と認識している状態で、全く面白くないミニゲームを延々と繰り返すことを強制されるのが本当にしんどい。地獄。

人狼が好きだからこそ、人狼パートがキツかった。

 

特記事項を埋める作業

このゲームでは、各キャラクターの特記事項(イベント)を見るのに、特定キャラクターの生存やコールドスリープ、「かばう」などの特定の行動など、条件があるものが存在する。

この条件を満たすのがそこそこ大変。

自分の役割だけは最初に設定できるものの、他のキャラクターの役割は選べないため、運に左右される。しかも、対象のキャラクターが生き残るかについても、ただの印象で投票されるため自分のステータスが上がってないと厳しい。

逆に言えば、自分のステータスさえ上げておけば、ある程度思うような状況は作りやすい。(「それはそれでどうなんだ」とか「それこそ人狼じゃねえだろ」というのは置いといて)

しかし、条件を満たしていても絶対イベントが発生するわけでもないのが腹が立つ。

LOOP 50を過ぎたあたりから、残ってる特記事項の数的にも何かしら条件は踏んでいるにも関わらず、全くイベントが発生しなくなり、ただ会話をスキップするだけの「連打ゲー」と化した。連打がしんどくなってきて、ADVでまさかの連射コントローラーを取り出す羽目になった。イベントを見るために罰ゲームをさせられている気分だった。

夜の場所選択で、イベント発生を示す「!」マークが表示された瞬間は、パチンコでリーチが掛かった時みたいな気分になったからギャンブル的な快感は得られるかもw(皮肉)

 

整合性のない会話

人狼パートにはその他にも問題がある。

定型文しか存在せず、しかも状況に応じて台詞が変わらないため、状況と会話の整合性が取れないシュールな場面が多発する。

例えば、自分が決選投票の2人に含まれている際に、相手を「怪しい」と発言すると、周りから「〇〇さん(相手)のこと気にしすぎ」と咎められる。そりゃ相手のこと疑うに決まってるだろ。自分が吊られるんだから。

さらに、自分を含まない決選投票の場合、相手同士が「そいつは信用できる」と庇い合ったりする。ギャグかな?

また、「ラキオは疑われやすい」といったように能力値で個性を表現するのは良いが、例えばラキオがエンジニアだった場合、対抗のエンジニアが出たらバグの有無に関わらずラキオが即吊りされたりする。議論で一切話題に上がっていないキャラクターに票が集まり、議論の流れを一切無視して急に吊られたりもする。

ハリボテ感しかないのよな、この人狼要素。

「よく出来てない」のよ、本当に。

 

レイジング・ループとの比較

人狼を扱ったADV作品に『レイジング・ループ』という作品が存在する。

こちらも人狼を題材にした作品ではあるものの、『グノーシア』のようなゲーム形式ではなく、村の因習によって人狼と似た儀式が行われるというストーリーがノベル形式で展開される。

実際の生死が掛かっている状況において人狼のセオリーは通用しない、吊られることの絶望感、村の勝利のために自分の命を差し出せるかという葛藤など「実際の人物で人狼を行うとどうなるか」のリアルな心理描写が垣間見える。

対して『グノーシア』では、人狼パートでは定型文しか喋らないので、投票されることによる絶望感も特に感じられず、死ぬのではなくコールドスリープされるだけ。グノーシアによる襲撃も、死体もなくただ消失するだけ。ついでに、誰かが消滅しても次の日に「〇〇さん・・・そんな・・・」といったような定型文が添えられるだけ。

正直、「これでキャラクターに対して愛着を持て」というのが無理だった。

 

シナリオは悪くない

上述の通り、人狼パートへの不満は大きかったものの、タイムリープものとしてのストーリーの骨組みや演出面はそこそこ良かった。

「最初にセツが主人公に助けられたからループが始まった」という因果関係と「主人公を助けるために、最初の自分(セツ)に鍵を渡すことが必要だからセツ自身はループを抜け出せない」というタイムリープ構造の繋がりは、ラストの着地を含めて綺麗だったと思う。

とはいえ、いくつかツッコミどころもあった。

セツのループ回数
セツから「次に会う時、私は62回目のループだけど、あなたは2回目のループかもしれない」と、回数が一致していないことを告げられる。しかし、夕里子関連の話では「前回の続きなんだけど~」とループ回数がほぼ同じであることが前提の会話が繰り広げられるため「どっちやねん」と思った。

特記事項の順序によるネタバレ
特記事項を埋める順番によっては、オトメの特記事項を先に取得することで「ククルシカの正体が人間ではない」ということが察せてしまう構造になっていた。まぁ大したネタバレではないのでどうでもいいけど。

タイムパラドックス周りの雑さ
セツが負傷した主人公ごと別の宇宙に行く場合、次の宇宙に元々いたセツはどうなるのか?セツ自身もバグにならないか?

また、ククルシカにSQの元人格であるマナンを憑依させるということは、作中で「SQがグノーシア」かつ「ククルシカが存在している」時、マナンが2人存在していたことになるのでは?

加えて、最終的にマナンをククルシカに憑依させ、セツもループを抜けたことになるものの、その世界は1日目なので「元々の主人公」と「ループを抜けてきた主人公」の2人が存在する問題は解決していないのでは?

上記のような違和感はありつつ、ストーリー自体は綺麗。

ただ、ボリューム不足感は否めない。

なぜなら、本作の大半が人狼パートだから。

その人狼パートを通じてキャラクターへの愛着や理解が深められたかというと、自分は無理だった。

理由としては、人狼パートにおいて基本的に定型文の会話のやり取りしかなく、「一緒に過ごしている仲間」というより「ただのNPC」といった感覚が強くなってしまったから。

それによって、相対的にシナリオや描写が不足しているように感じるのは否めない。

シナリオにおける伏線回収の要素もあるにはあるが、かなり限定的。キャラクター数は多いものの、真相に全員密接に関わっているわけでもない。関わっているのは「セツ、SQ、ラキオ、ククルシカ」くらいだろうか。

最後に「今までお互いを疑い、騙し合ってきたみんなが仲良く過ごす」という構図も綺麗ではあるが、人狼パートが子供騙しすぎて「騙し合ってきた、殺伐としていた」という感情は全く湧かなかった。

最後にタイトル画面に戻る際、BGMの音量が大きくなりながら画面中央にセツが現れる演出は良かった。

 

総評

総評として、人狼パートが酷すぎて感情移入が出来ない。これに尽きる。

人狼パートを度外視して「演出や雰囲気を楽しむノベルゲーム」として割り切ればまだマシだが、人狼パートを何回もプレイすることはゲーム側から強いられているからそうもいかない。また、「ノベルゲーム」として見ると、あまりにもシナリオやテキストがボリューム不足。

逆に言えば、人狼パートを「毎回違った展開で楽しい」とか「キャラクターの内面が見えて楽しい」というように感じられる人なら高く評価するのも理解はできる。

個人的には、ゲーム部分を無くして地続きの話にしてくれた方が楽しめると感じたので、アニメの方が合ってるかもしれない。

せっかくなので今度見てみようと思う。

プロフィール

毎日23時頃、Twitchにて配信中



ゲーム
スポンサーリンク

コメント

  1. 匿名希望 より:

    ゲームのほうが全く好みではなかった人による、アニメグノーシアの感想がとても気になりました。もしアニメ版を楽しんでいただけたら、是非そちらも感想を読みたいです。「ゲーム版はNotForMeだがアニメは見てみよう」と思ってくれることがとても嬉しいです。
    ちなみに、グノーシアの製作陣はレイジングループの大ファンだそうです。

    • Miya Miya より:

      コメントありがとうございます。
      シナリオ部分は良かったのと、アニメで人狼の場面があるのはわかりませんが、あったとしても自分が気になったような定型文でのやり取りではまずないだろうということで、見てみようかと思った次第です。
      視聴した際には記事にさせていただきます。

タイトルとURLをコピーしました