『NieR Replicant ver.1.22474487139…』自分には合わないと感じた作品【感想・レビュー】

はじめに

こんにちは、Miyaです。

今回は『NieR Replicant ver.1.22474487139…』をEルートまで36時間でクリアしたので感想を記載していきます。

※『NieR:Automata』は未プレイ

結論から言うと、この作品は自分には合いませんでした。どうしてそう思ったのか、具体的な理由を述べていきます。

この記事には『NieR Replicant ver.1.22474487139…』のネタバレが含まれています。クリア後にお読みいただくことを推奨します。

 

良かった点

・戦闘の動きが軽く、演出が綺麗

気になった点

・移動が面倒臭い
・周回が死ぬほど面倒臭い
・キャラ描写が薄い
・ストーリーが薄い

戦闘がストレスフリー

戦闘は動作が軽く快適だった。何より攻撃中でもシームレスに回避を出せるのが良かった。スタミナなどの制限もなく、無敵時間も長い。攻撃時に文字が飛び交うのが鮮やかで、黒の魔法の表現も綺麗だった。

 

移動が面倒臭い

戦闘が軽快だった一方で、移動は超絶面倒だった。

走る速度は速くて疾走感はあるものの、次のエリアへ切り替わるまでの距離が長く、基本的にはただ直線を走るだけなので虚無感が漂う。一度きりの移動ならまだしも、本作では同じ町やフィールドを何度も往復させられる設計なのがしんどすぎる。『ポケットモンスター』の「そらをとぶ」や、『ドラゴンクエスト』の「ルーラ」のように、一度訪れた場所へ瞬時に移動出来るファストトラベル機能が喉から手が出るほど欲しかった。一応、作品内でワープがないことについての説明はされるものの「御託は良いから寄越せ」としか思えなかった。

 

無意味なおつかいが多い

序盤は「仕事」という体でひたすらおつかいをすることが多く、特にストーリーも進まずあまり面白みを感じなかった。ついでに、頼まれごとで他の町に移動するだけで、ただひたすら走る虚無時間が発生するので億劫になる。

特に腹が立ったのが、ポポルから船頭の様子を見てくるよう頼まれる場面。

海岸の街へ行って船頭がいないことを確認
↓
村の衛兵が家族なので何か知っているかもしれない
↓
村まで戻って衛兵に話しかける
↓
自分は知らないけど、海岸の街の配達員なら知っているかも
↓
海岸の町に戻る

な に こ れ ?

この一連の流れで面白さを感じる方法を教えてほしい。

 

仲間としての感情の芽生えにくさ

仲間になるカイネ、エミールについて、特段嫌いというわけではないが、特に好きだったり印象に残るキャラクターにはならなかった。その大きな理由が、ゲームを通して「一緒に戦っている」という感覚を持てなかったことが挙げられる。

自分はRPGの経験がそこまで多いわけではないが、例えば自分の好きな「ドラゴンクエスト11」や「ペルソナ4、5」では、戦闘において仲間キャラクターの操作もプレイヤーが行うため「一緒に戦っている」という経験として蓄積され、仲間意識が徐々に芽生えていた。戦闘に出さない仲間も、スキルを整えたり、装備を整えたり、パーティ編成を考えたり、何かしら関与している時間が存在していた。

それに対して本作では、戦闘において操作するのは主人公一人であり、カイネとエミールも戦闘に参加してはいるものの、体力や装備は存在せず勝手に攻撃しているだけなので「一緒に命を賭けて戦っている」という感覚にならない。一応オプションからカイネとエミールにも命令できるが、クリア直前に気付いた。それぐらい攻略にはあまり意味がない。

上記の理由から、他作品と比べて仲間感が薄いと感じてしまった。
※これは自分がサブクエストや寄り道をほとんどしていないのも関係しているかもしれないが。

また、本作はプレイ時間の多くを周回が占めており、物語の中で実際に起きている出来事や、仲間同士の関係が深まる新たな描写はそこまで多くなく、会話の絶対量が少ない。同じ出来事を別の視点から見直す構成にはなっているものの、それによって主人公とカイネ、エミールとの新しい交流が増えているわけでもない。限られた交流描写の中で、キャラクターへの愛着を深めて感情移入するのが難しかった。

2周目でカイネとエミールの過去も明かされるが、内容はおおむね予想通りであり、それによって2人への印象が大きく変わることもなかった。

上記の理由から、カイネとエミールは最後まで「共に旅をしてきた大切な仲間」と実感できるほどの存在にならず、最後のエンディングでも一緒にその場にいるような没入感がなく、外から眺めているような感覚に近かった。

ストーリーについて

このゲームの大きな特徴が周回であるため、ルートごとに分けて記載する。

Aルート

少年編の最後にヨナが攫われ、5年後の青年編となり、5つの鍵を集めて魔王の城へ向かう。そこで待ち受けていたデボルとポポルから、マモノの正体が人間の魂であり、自分たちはその魂を受け入れるために作られた器に過ぎないと明かされる。

恐らく、この情報がこの作品の肝とも言えるかもしれないが、個人的にはそこまで衝撃を受けなかった。

というのも、例えば主人公が「人間を守るため」に戦っていたのであれば、守っているつもりだった人間を自分の手で葬っていたことになるため、それなりに衝撃を受けたと思う。しかし、主人公が戦う最大の理由は、あくまで『ヨナを助けること』であり、ヨナの病気を治すため、連れ去られたヨナを取り戻すためにマモノを倒している。そのため、マモノの正体が人間だったと明かされても、目的や信念が根本から覆るわけではない。

「マモノが人間でした」と言われても、「ああ、そうだったんだ」という感情止まりで、それ以上の感情が湧いてこなかった。しかも、主人公たち自身が人間でないのであれば、主人公とマモノは敵対関係であることに変わりなく「同士討ちでもないし、まあいいか」に近い感情になり、特に葛藤も生まれなかった。

その後、魔王の城にてヨナを発見し、救出する。

Aルートをクリアした時点でのストーリー評価は【普通】くらい。つまらないわけではなく、これからどうなるのかも気になったが、世間で高く評価されているほど好印象ではなかった。

 

Bルート

「カイネ編」という名前から、今度はカイネを操作するのかと思っていたが、操作キャラクターは主人公のまま。青年期の中盤(カイネの石化解除)から、もう一度同じ物語を進める形。

カイネ編では、カイネの過去やエミールの過去に加えて、1周目で倒したマモノ側の事情が追加され、1周目では倒すべき敵として描かれていたマモノにも生活や感情があり、それぞれの事情や守りたいものがあったことが描かれる。

この構図に対して「なるほど」とは思ったものの、敵側にも事情や正義があるという話自体は特に珍しいものではなく、むしろ王道だと感じた。

 

■P-33&クレオ
少年編から関わりがあったロボット山の兄弟の弟から「ロボットとマモノが手を組んで兄が殺された」と聞かされ、どんな酷い仕打ちを受けたのかと思いきや、P-33とクレオは何もしておらず、ましてや兄が死んだキッカケを作ったのは弟自身という始末。

P-33とクレオは何も知らず、ただ平穏に暮らしていただけにもかかわらず、弟に不当に恨まれ、一方的に殺され、終いにはP-33は踏みつけられる。このシーンは普通に胸糞が悪かった。

これは場面として悪かったという意味ではなく、背景を知ったことで、同じ場面への感情が変わったという意味であり、何も知らずに暮らしていた2人を、単に「マモノだから」という理由だけで殺したことに罪悪感が芽生えた。

P-33とクレオとの戦闘では、カイネが「あれはマモノだ…! マモノなんだ…!」と、自分に言い聞かせるような台詞を口にする。1周目では特に気にしていなかったが、カイネ編でクレオたちの会話が聞こえるようになったことで、カイネの台詞の意味が理解できる仕掛けは良かった。

 

■リーダー狼
1周目では「狼にフィーアが殺されたから復讐する。」という側面だけ見えていた。しかし、実際には仮面の民が先に狼へ手を出していた。狼側の行動も仲間を殺されたことへの復讐。人間側だけが一方的な被害者だったわけではなく、お互いに殺されたことによる復讐だった。事情を知ると、こちらが狼を殺すことが本当に正しいのか分からなくなる。

フィーアが殺されたことはある意味仮面の国側の自業自得であり、フィーアが殺されていいわけがないが「狼に襲われた悲劇」として見ることはできなくなった。

 

■ルイーゼ
ルイーゼに関しては、2周目でルイーゼと配達員が交流していたことや、ルイーゼが人間になりたがっていたことが描かれる。しかし、明かされた内容は1周目の時点で大体想像できた内容であり、1周目の戦闘である程度察しがつく。

裏側を見せられても「え、そのまんまじゃん」という感想しか出てこなかった。てっきり「実はルイーゼが海岸の街の人々を殺したわけではなかった」くらいの展開はあると思っていたが、順当にルイーゼが殺していたため拍子抜けだった。一番強い敵として壮大な雰囲気を出していた割に、明かされる事情は何もかも想像の範囲内であり、しょうもなさを感じた。

 

■そもそも相手への思い入れがない
各エピソードについて感想を書いたが、そもそも本作は、特定のエピソードで突然現れた相手と1周目で戦い、2周目でその裏側を知る構造となっており、物語全体を通して長く関わってきた存在ではないため、基本的に相手への思い入れが薄い。

P-33とクレオは、少年編からの繋がりがあった兄弟と関連しているためまだ関わりを感じられたが、狼とルイーゼに関しては直前に現れるため、その傾向がより顕著。元から大して思い入れのない相手の背景を明かされても、多少は驚くもののそこで生まれる感情には限界がある。というか、たかが知れている。

例えば、どこかで適当に殺したマモノの正体が妹のヨナだったり、今まで一緒に暮らしてたヨナの本当の兄が実は主人公じゃなくて魔王の方だった(というかAルートの最後はそうだと思った)といったような展開であったら大きく感情は揺さぶられたと思う。

しかし、主人公と一緒に暮らしてたヨナは、ヨナとして存在してるし、なんなら普通に生きて戻ってくる。魔王側から見れば完全なバッドエンドだが、主人公は旅の目的だったヨナの奪還に成功している。主人公にとって取り返しのつかないものを失ったわけでもなく、自分としては強い喪失感や絶望を覚えなかった。

巷で「鬱ゲー」と言われることもあるらしいが、自分的には「どこが?」と思ってしまった。

 

Cルート

内容は最後以外2周目とほぼ同じ。デボルとポポルの会話が挟まれていることと、ルイーゼとの決着の仕方が変わっているくらい。

デボルとポポルの会話を見て、人間とレプリカントが和解する、または話し合うエンディングがあると予想したが、そんなものはなかった。悉くこちらの予想を裏切ってくる。(悪い意味で)

また、Cルートでは魔王を倒した後に主人公がカイネのことを「愛する人」と表現するが「カイネに対してそんな激重感情を持っていたの?」と戸惑った。大切な仲間であることは理解できるが「愛する人」と呼ぶほどの関係性が描かれていたとは感じなかった。

さらに、このエンディングでは再開したヨナに触れないまま終わる。あれだけ長い間探し続け、ようやく見つけた実妹はもういいのか。カイネも同じくらい大切な存在になったということだろうが、そこまでの変化を納得できるだけの描写があったとは思えなかった。

Cルートは武器を全種類集めることが条件であり、今までサブクエストは1個もやっていなかったので攻略サイトを見ながら集めた。普通に面倒臭かったが、周回をこなしながら武器を集めることが出来るので、この時点ではまだ耐えられた。

 

Dルート

終わりの始まり。個人的に一番の不満点。

Dルートの条件として「もう1個の選択肢を選ぶ」と言われ「うわ~また魔王城の入り口のセーブポイントからやり直しか~」と思っていたら、まさかの青年編の最初からやり直し。4度目の青年編。

何回同じことやらせるんだよ、死ぬほど面倒臭い。この周回に一体何の意味があるのか教えてほしい。1周目と2周目の良かったシーンで芽生えた感情すら「面倒臭い」というネガティブ感情で上書きされて消え去っていく。

しかもストーリー変化はなし。マジで面倒臭すぎて、途中でゲームを放り投げて実況動画でストーリーを見て済まそうかと本気で考えた。

 

Eルート

セーブデータを消されて、最初からスタート。

攻略サイトを見ていなかったら絶対にこのルートに気付かないし、やってない。少年編からスタートして、2時間ぐらいかけて崖の村でカイネを仲間にするところまで到達。そこまで進めると、Dエンドから3年後の物語が始まる。

・・・ここも「最初から」を選んだらカイネの夢から醒めるところから開始でいいでしょ。何回周回させるんだよ。展開に変化も一切ないし。

夢から覚めた後はカイネを操作できて、話のテンポも良かった。最後の終わり方はぶっちゃけよくわからんかった。考察サイトも見たが、文字通り考察の域を出ない内容で、明確な答えが用意されているわけではなく、設定や描写をもとに各自で解釈するタイプの結末だった。

結局、3人でいることに対しての仲間感がそこまでないので、蚊帳の外感が強く、疲労感が残った。

 

総評

本作は周回がプレイ時間の多くを占める一方で、周回中に追加される新しい出来事や交流描写は少ない。そのため、プレイ時間に対してストーリーが薄く感じてしまった。

自分はクリアするまでに36時間掛かっているが、パッケージの3人が揃うまで9時間掛かり、Aルートクリアまでで15時間掛かっている。残りの21時間は【Bルート~Eルート】であり、ほぼ周回。この周回の間に新しい冒険があるわけでもなく、会話も多少足される程度なので、全体を通じて仲間として交流が深まるシーンが少ないと感じる。だから主人公とカイネがお互いを「大事な人」と認識してるのにも違和感を覚えたし、エミールが登場して間もない段階で重要な仲間として扱われることにも唐突さを感じた。

各地を駆け巡って、村人に話しかけたり、依頼をこなしたりする中で、世界そのものやキャラクターに愛着を深められる人には本作が合うのだと思う。

自分はRPGでNPCへ片っ端から話しかけること自体があまり好きではなく、今回もほとんど無視してメインストーリーだけを進めていた。純粋にストーリーを見ることを目的にするなら、自分にはノベルゲームの方が合っていると改めて感じた。ただ、RPGというゲームに対しての向き合い方を見つめ直すことが出来た、という点においてはプレイして良かったと思う。

 

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