
はじめに
こんにちは、Miyaです。
今回はアニメ『グノーシア』を全話視聴しましたので感想を記載します。
『グノーシア』の原作にあたるゲームはプレイ済みで視聴しています。感想記事はこちら。

感想
まず最初に
最初に感じたのは「ズルい」ということ。
『グノーシア』のアニメは21話構成。
原作のボリュームに対して長すぎる。
十分12話で収まる内容だと思っていたら、まさかの21話構成でおったまげた。
今まで、数々の名作ADV作品がアニメ化されて、その大体が12話構成で作られてきた。膨大な内容を12話に詰め込まなければならないため、内容が削りに削られ『ほとんど話題になることもない微妙な作品になってサヨウナラ』というのを何度も見てきた。
パッと思いつく作品だと「俺たちに翼はない」や「ISLAND」。原作は非常に面白いのに、アニメは12話で圧倒的に尺不足。


それに対して、21話もある『グノーシア』はとんでもなく優遇されている。
まぁ『グノーシア』に罪はないけどボヤきたくもなる。
ゲームとの比較
正直、原作の『グノーシア』は正直かなり苦手だった。
人狼パートが茶番にしか見えず、定型文のやり取りしかないため、キャラクターに愛着が持てなかった。そのせいで、ストーリ―自体の大筋自体は悪くはないものの、イマイチ感情移入ができないという印象だった。
詳細はこちら。

「人狼パートのゲーム性を無くして、地続きの話にしてくれた方が楽しめるのではないか」と感じたので、それに近い形式であろうアニメ版を見てみることにした。
結果、アニメの方が圧倒的に自分の好みだった。
問題点の解消
原作で感じた課題点は以下の3つ。
・定型文しか喋らず、整合性のない会話だらけ
・そのせいでキャラクターの関係性が希薄に見えて感情移入できない
アニメではこれらの問題点が全て解消されている。
ちゃんとした人狼
原作ではお飾りに過ぎなかった人狼が、アニメではちゃんとした人狼を行っていることに感動した。
例えば、5話で
ステラ → シピ黒
夕里子 → セツ白
■ドクターCO
セツ
残りグノーシア2
この状況で
・ステラが本物ならシピと夕里子が黒になるからセツ白
→両者目線で「セツ白=真ドクター」が確定している
たまに、「偽エンジニアがグノーシアに黒出しをすることはありえない」など決めつけが激しく「ん?必ずしもそうとは言えなくない?」と思う場面はあったものの、そこを考慮するとややこしくなるのであえてそういう描写にしていると思われる。
特記事項
ストーリーの中で自然に複数の特記事項の話を組み込んでいるため、よりキャラクターの人間性や関係性への理解を深めやすい。
例えば、沙明の土下座でコールドスリープを先延ばしにして、翌日にシピが「俺もコールドスリープするな!昨日の沙明だけ不公平だ!」と言い出す場面。そこから、セツが「沙明の横暴を許した私の責任だ・・・」と捉えて、その収拾をつけるために留守番のレムナンとククルシカ以外を全員コールドスリープする、という流れは複数のイベントを違和感なく繋げていて非常に上手いと思った。
また、ゲームだと沙明が土下座でコールドスリープを先延ばしにして終わりだが、実際に行われると「そりゃ次の日に凍らされる人はたまったもんじゃないよな・・・」となるので、実際に人狼を行う上での生々しい描写を見られて良かった。
ただ、10話で粘菌に襲われてる最中に倉庫でククルシカの人形を見つけたり、そもそもの粘菌が暴走した理由が「コメットが誤ってコールドスリープしてしまった」という無理やりな展開だったりと、色々と詰め込み過ぎている印象を受ける場面もあった。
アニメならではの演出
本来であれば、人狼はただの話し合いになるため、アニメの絵面としてはかなり地味になるはずだが、キャラクターによって自由な位置に立っていたり、座っていたりと個性を出している。
夕里子が上の方にふんぞり返って座っているのに対して、SQとしげみちがドン引きしてるシーンが面白かった。
その他、投票の演出が派手だったり、後半になるとコースドスリープの演出があっさりしていたり、映像作品として飽きない工夫が凝らされてるように感じた。
主人公のユーリ
原作では主人公の名前や姿は決まっていないため、アニメでは「ユーリ」というキャラクターが主人公として登場する。服装の色合いなど『グノーシア』の世界観に合っているように思えた。
また、原作では性別も選ぶことが出来たため「あ、アニメでは男設定なんだ」と思っていたら、途中で性別が女に変わることもあり面白かった。「銀の鍵が情報を得るためにそういった性別の設定にした」という説明も筋が通っている。
主人公が置かれている状況について、実際に自分が原作をプレイしていても『どうせ勝っても負けてもループするんだからどうでもよくないか?』という感情になっていたので、ユーリもその感情を吐露してくれたのは良かった。
また、ゲームでは主人公の感情がほとんど見えず、淡々とループを繰り返しているようにしか見えないので、ループをすることに対する等身大の葛藤などが見えて良かった。
アニメオリジナルの展開
終盤では、セツが次の宇宙に行って存在が消滅した後、「ユーリが再度銀の鍵を寄生させて情報を貯める」というアニメオリジナルの話が展開される。
ゲームでは船の中におらず、仲間内での会話しかなかったので、軍港に立ち寄って仲間以外と会話する描写は新鮮だった。ゲームだと唐突に「主人公は別次元から意識だけをつなげている」という話になるため、その補完として、アニメオリジナルの設定・展開を追加したと思う。
しかし、セツに再会するまでにかなり長い尺を使うので、若干間延びした印象は受けた。
「ここで3話も使う必要ある?」というのが正直な感想。
総評
原作プレイ時に感じていた「人狼パートの茶番感」や「定型文による会話」が解消されており、『「グノーシア」は原作よりアニメの方が楽しめるんじゃないか』という自分の考えは正解だった。
論理的な人狼の駆け引きや、複数の特記事項を違和感なく絡めたストーリー構成は非常に良い。
ゲームでは描くことができていない「実際にその場で人狼を行う生々しさ」や、主人公の等身大の葛藤など、アニメ独自の補完としても優れている。
終盤のアニオリ展開では若干の間延びを感じる部分はあったものの、全体を通して「もしグノーシアが地続きの物語だったら」という要望を叶えてくれた作品だった。
原作の作業感に苛まれてストーリーやキャラクターに感情移入できなかった人にこそぜひ見てほしい。


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