
はじめに
こんにちは、Miyaです。
今回は『都市伝説解体センター』をクリアしましたので感想を記載します。
プレイ時間:13時間
結論としては、結末に意外性はあるものの、オチを優先するあまり「無理がある設定」を押し通す形になっていると感じた。
以下に詳細な感想を記載します。
良かった点
気になった点
システム・演出
ドット絵のビジュアルで『キミガシネ』を彷彿とさせる。
■SNS調査
事件に関する噂の調査。あざみとジャスミンのやり取りが微笑ましい。
■現場調査
実際にキャラクターを動かし、対象ごとに話題を選ぶ形式で『逆転裁判』を彷彿とさせる。総当たりすれば問題ないものの、一度調べたものを後からもう一度調べたりする必要があり、面倒に感じる瞬間もあった。
ストーリー
全6話構成。
正直、1話~5話は「つまらない」まではいかないまでも、際立った面白さは感じられなかった
基本的に、依頼を受けて事件の調査をする形なので、どこか他人事のような感覚が拭えず、個人的には『逆転裁判』をプレイした時と同じような乗り切れなさを感じてしまった。
各話の真相も大したことがないことに加え、犯人がほんのりわかりやすい。最初の印象で「こいつ怪しい」と思ったのが、特に覆されることもなく犯人になる。
真相が明らかになっても「あ、そうだったんだ」ぐらいの感情にしかなれなかった。
ラストの展開
全編を通じて
・あざみが記憶が曖昧
・誰でも知っているような事件を知らない
といった描写が露骨にあったので、何かしら正体に関する話は出てくるだろうと予想していた。
その上で、自分が辿った思考プロセスは以下の通り。
・第一の予想:廻屋=管理人
如月努の研究室を調べる下りで廻屋が管理人であることは察しが付いた。「弟」というワードや「解体センターと本が一緒」など。これみよがしな情報が多かったので、誰でも勘付くとは思う。ただ、昔の兄弟写真が「廻屋に見えるけど、あざみにも見えるな」というのは薄っすら思ってた。
・第二の予想:あざみ=管理人
その後、公園の管理人との会話で
・「久しぶりっていうほど来てなかったか?」
・「ヒナタと話してたのはアンタだけ」
と言われてるのを見て、「あ、これやっぱりあざみが管理人か」となった。
この時点での自分の仮説は、「あざみは二重人格」あるいは「管理人はあざみのドッペルゲンガー」のどちらか。怪異を扱う作品の世界観を踏まえれば、二重人格よりもドッペルゲンガーの方が作品の雰囲気に合っていると思っていた。
そこから『上野ツアーの抽選でハッキングが使用された』ということから『廻屋が管理人』ということが明らかになる。
「あれ?今までの描写から考えたらあざみだよな?あざみのドッペルゲンガーと廻屋が協力してた?」とかなり戸惑い「調査の際にあざみの影が見えてたのはミスリードだったのか」と思っていた。
結局、最終的にはミスリードでもなんでもなく、真相としては
・全ての事件は歩の自作自演
・廻屋は実在せず、あざみが会っていた場面はあざみの妄想
真相に関して気になった点
ジャスミンは解体センターで半年前から働いているにも関わらず、廻屋に会ったことすらなかったということ?確かにあざみ、廻屋、ジャスミンの3人が実際に遭遇してる場面はなかったけど・・・。
最後に、あざみが廻屋の見た目になれることを実演していたので、もしかしたらその姿で会っているのかもしれない。
廻屋から電話が来て、みんなの前で「解体」を聞かせていたのはどうやったのか。『コードギアス』のルルーシュのように事前に録音しておき、それに合わせて喋っていたということか。その場合、歩はあざみの思考や発言のタイミングを完全に理解していないと不可能な離れ業になるが、そんなこと可能か?
結局、歩が「天才ハッカー」であること、「国民全員の個人情報を開示する」という現実味のない離れ業を成し遂げていることから「そんなことも出来た」ということで考えるしかないのかもしれない。
が、理屈として無理がある感は否めない。
少なくとも、事前予想でコレを思いついたとしても「まぁ無理だな」と真っ先に切り捨てる自信はある。
所感
『伏線回収』と言うにはかなり乱暴で、巧みな仕掛けというよりは強引なサプライズという印象が強い。「そういうことだったんだ!」という納得感ではなくて「そんなのあり!?」という驚きの感情だった。
とはいえ、「あざみ」と「廻屋」の両方が当てはまる状況を演出した上で、最終的に『二人は同一人物だった』というのは予想外ではあったし、読み進めていてもかなり戸惑わされて楽しい体験ではあったので、これはこれでいいのかもしれない。
このオチ自体を持ちあげるつもりはないけど。
全体を通して気になった点
幻視の影が出る基準
「どれぐらい前の影が見えるのか」という点において、明確な基準がなく、場面によっては昨日のものだったり、かなり前のものだったりするので、事象の全容が掴みにくく、ご都合主義を感じた。影の見た目が変わることについても、一応説明はされてはいるものの、基準が曖昧で気になっていた。
・・・まぁ、最後まで見ると、この影は「歩の推理の可視化」らしいので、あまり細かいことを気にしない方が良いのかもしれない。
怪異の存在
最終的に「すべての黒幕は歩の自作自演だった」というオチに着地するのなら、これまでの怪異めいた現象も「すべて人為的なトリックや錯覚だった」と徹底してくれた方が、ミステリーとして一本筋が通っていて綺麗だったと思う。
しかし、本作はその辺りがかなり曖昧。
1話、2話、3話では「怪異に見えたものは実は人為的なものだった」という結末に対して、4話での眉崎に対する呪いや、5話の黒沢のドッペルゲンガーについては『実体のあるオカルト現象』として描かれている。
結局、この作品はオカルトを「存在する」ものとして描きたいのか、「存在しない」ものとして描きたいのか、途中まで世界観が掴み切れず物語に集中できなかった。
同じく怪異を扱った『パラノマサイト』のように、『最初から怪異が存在する世界観』として描いてくれた方がより物語に入り込みやすいと感じた。

総評
「4人=同一人物」というオチは強烈なインパクトがあり、予想を裏切る意外性においては間違いなく記憶に残る一作だと思う。
一方、その結末に至るまでの強引さや、オカルトに関する世界観の描写のブレなど、気になる点が多くあったのも事実。また、結末に至るまでの各話の事件に、そこまで引き込まれる要素がないのも欠点だと感じた。
論理的な納得感を重視する人にとっては、最後の展開は到底納得がいかないだろうし、世間での評価が分かれるのも頷ける。
自分としても納得はいかないのは確かではありつつ、終盤は心を揺れ動かされたので一定の評価はしたい。


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