『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟 -』前作の謎を綺麗に回収【感想・レビュー】

はじめに

こんにちは、Miyaです。

今回は『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』をクリアしたので、感想を記載していきます。

※Switch版でプレイ
※「逆転裁判1~3」までプレイ済み(あんま覚えてない)

前作の『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』をクリア後にプレイしています。感想記事はこちら。

『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』ご都合主義が多くて没入感に欠ける【感想・レビュー】
『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』をクリアした素直な感想・レビュー。3Dモデルの動きや世界観の良さを評価しつつ、ストーリー展開の不自然さや警察捜査のガバガバさなど気になった点まで全5話の感想とともにネタバレありで徹底解説します。

結論から言うと、多少の不満はありつつ、事件自体がより凝ったものになり、かつ前作の謎を綺麗に回収するため『逆転裁判』シリーズの中では最も楽しめた作品だった。詳細の感想について以下に記載します。

この記事には『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟 -』のネタバレが含まれています。クリア後にお読みいただくことを推奨します。

良かった点

・プロフェッサー事件を中心に謎が解明していく爽快感
・事件の作り込み
・シリーズ集大成のある終盤の盛り上がり

気になった点

・マンネリ化する陪審員制度
・一部の推理や証拠の扱いにご都合主義を感じる
・事件によっては構造が分かりづらく没入しづらい

話ごとのクリア時間・評価

1話 3時間00分    / 評価:B
2話 6時間10分    / 評価:A
3話 10時間00分  / 評価:B
4話 7時間00分    / 評価:A
5話 7時間00分    / 評価:A

合計:33時間10分

話ごとの感想

1話

前作1話の犯人だった『ジェゼール・ブレット』が被害者。

寿沙都さんが男装して成歩堂を装って裁判に挑む。普段はしっかり者の寿沙都さんが、目が泳ぎまくったり被害者の名前を思い出せなかったり、新しい一面を見られて良かった。「きゃあああああ!!」って叫びながら机に突っ伏す寿沙都さんほんとおもろい。

今作は1話から明らかに難しい。何度か有罪判決を貰った。

毒が用いられた話になり「痕跡が残って容疑者が絞られちゃうから、この仕様を知ってる人は毒を絶対使わない」と説明されるが、この論理は筋は通っているものの、ちょっと決めつけが過ぎるように感じた。必ずしもそうとは限らないし、それを逆手に取って・・・みたいなことも考えられるし。

また、ジェゼールと対峙している状態から、グラスに毒を盛るのは相当難しいと思ったので、当然「どうやって入れたのか」という話になると思っていたら、一切触れられなかったので何かしら理由付けが欲しかった。

ただ、感じた違和感はそれぐらいで、『大逆転裁判1』の1話と比べると遥かに良かった。「1話らしい1話」といった感じ。

ここから「御琴羽教授が倒れた」のは嘘だったことが判明し、本筋の話が動き出す。

 

2話

「大逆転裁判1」の4話の次の日に発生していたという、漱石の2つ目の事件。『被害者が生きてて、被告人を告発する』という今までにないパターン。

ビリジアンが「あの時、とても寒くて霧が濃くて何も見えなくて」と言ってるけど、「大逆転裁判1」の4話の証人たちは「その日の霧はマシだった」と言っていた。だから「犯人の顔を見ることができた」という話になったんだし。別の作品とはいえ、地続きの話なんだからこの辺りの設定はちゃんとしてほしい。

陪審員制度は継続。やはり序盤で全員『有罪』が投票され、ワンパターンで萎える。

『ペテンシーがガスを盗んでいる』という話で、証拠品の『ガスメーター』を調べると下に穴が開いている。「企業側で持ち帰って徹底的に調べた!」と豪語していたのに、一目で見てわかるような形跡を見落としているのは明らかにおかしいので興醒めする。こういったご都合主義は『逆転裁判』のお約束かもしれないけど、あまりにも露骨だと話全体が子供騙しに感じてしまう。

また、ペテンシーの「漱石は一切紅茶に口を付けていなかった」という証言に対して「すぐに飲み干していた」という証拠をぶつける場面。それに対して、バンジークス卿は「ティーポットに残っていたのでは?」と助言し、ペテンシーはあっさり証言を翻す。

これに対して、バンジークス卿から「人間の記憶は絶対ではない」とフォローはあるものの、少なからず嘘をついていた証人の信用性が揺らぐ場面。客観的に見ても中立か、むしろ証人への疑いが強まるのが自然のはず。にもかかわらず陪審員長が「我々は覚悟を決めましたぞォ!」とか言い出して、陪審員6人とも「有罪!w」って・・・。現実味がないというか、陪審員がアホすぎて没入感がない。

そんで、毎回「陪審員全員有罪からの取り消し」の流れを複数回繰り返してるけど、もうお約束の流れになってて真新しさが一切ない。どうせ覆るから奇跡感も何もなく『茶番』にしか見えない。

ただ、この裁判の後半は面白い。まず被害者と加害者の反転。

漱石は殺されかけたからペテンシーの計画が分かった。殺されかけた漱石にしか計画を逆手にとってガスパイプに毒を塗ることはできない。だからより容疑は深まった。

というバンジークス卿の論理は説得力があって感心させられた。

「漱石は殺されかけたから計画を逆手に取ることができる」というのが、同じ方法で恋人を亡くしたビリジアンにもそのまま当てはまるという構造が対比として綺麗。『ガスパイプに毒を塗る』という犯行時刻と、犯行が判明する時刻が1週間近くズレるのも面白い。

また、

ビリジアンがなぜ部屋に侵入できたのか?→ドア自体が老朽化していた
なぜペテンシーは元の部屋に移らなかったのか?→家賃滞納で移動できなかった

のように、違和感が生じそうな事象に対して補足説明があった点も好印象だった。

裁判序盤の展開については気になる点が多々あったものの、事件の構造やトリック自体は面白く、後半は楽しめた。

 

3話

ずっと話題に出てた「万国博覧会」が舞台。

今までの事件の中でも一番何が起こってるのかわけわからんし、規模が大きい。急に出てくる「蝋人形の推理」の下りは、最終的に事件に関係してくるとはいえ、唐突に始まるため「一体何をさせられてるんだろう」感が出て眠くなる。

全体的にこの話はなんかスッキリしない。

事件の構造が立体的に掴みにくく、証拠の提出もわかりにくい。難しいというより、事件自体がよくわからないというほうが正しい。わかりにくいから正解してもスッキリせず「え、どゆこと?」となることが多かった。

この話でも当たり前のように、まだ何も決まってない中で陪審員全員有罪の流れが挟まる。マジで邪魔。

マダム・ローザイクの見た目が好きだった。妖艶な感じでまともな人かと思ったら、法廷に出てきたらいきなりホームズの顔をガンガン掘ってたのが面白かった。後ろ姿が髪が長くて縛ってるのがいいですねぇ。

犯人であるドレッバーの動機は『記者だったメニンゲンへの復讐』だが、プロフェッサーを目撃するきっかけになったのは墓を荒らした自分だし、そもそも自分から金欲しさに記者に喋ってるわけだし、逆恨みにしか見えなかった。(作中では誰からもツッコまれなかったけど)

ドクター・シスがすんなり共犯であることを認め、勝ち確定の状況で異議を申し立てて証言を求める成歩堂と、証言を拒否するドクター・シスに対して、検察側から証言を求めてくれるバンジークス卿はアツかった。

3話全体を通して、やはり終盤の展開は面白い。ただ、中盤までがつまらないわけではないが、話に入り込み切れず疎外感が否めない。

 

4話

ついに御琴羽教授と裁判長まで合流してクライマックス感があり高まる。

ヴォルテックス卿の「司法長官となり、この国の警察組織を作り替えるどんなに時間が掛かっても、どんな手段をつかっても・・・な」という発言が黒幕にしか見えない。

今回のはグレグソン刑事が被害者。被告人がバンジークス卿。「まさか亜双義が検事やるのか!?」と思っていたら、本当に検事として出てきてめっちゃアツい。ちゃんと記憶が戻ってる状態で、友として成歩堂と亜双義が法廷で戦うのはテンションが上がる。

そして今回、陪審員なし!!!!!!

声出して喜ぶぐらいには陪審員いらなかった・・・。

弁護士:成歩堂、検事:亜双義、被告人:バンジークスという構図に、ホームズ、ジーナ、御琴羽教授も揃い、これまでの集大成感がすごい。

この事件だと、最初に被告人を呼んで『何があったのか、なぜそこにいたのか』を説明させる。いやどの事件でもこれから始めろよマジで。大逆転裁判1の5話はなんだったんだよ本当に。

ビーナスがめっちゃ可愛い。超電磁砲の食蜂操祈みたい。クネクネした動きと変な喋り方が癖になる。

この話はちょうど良いぐらいの推理難易度でサクサク進めて一番気持ち良かった。

『銃声は花火だった』というトリックについて、さすがに花火の燃えカスが痕跡として一切残ってないのはおかしい気もするが、論理として筋は通ってる。また、亜双義が頭ごなしに否定してくるのではなく、おおっぴらではないけど成歩堂と共に真相を突き止めようと協力しているのが感じられるのもアツかった。

デ・キルコとド・ジッコが奪ったグレグソンの身分証が本物だったことが判明する場面で『公園にきたのは本物のグレグソンで、報告しなかったのはそうできない事情があった。例えば殺害されてたから・・・』という話があるが、自分は『公園に来る前に殺されてて、公園に来たのは本物の身分証を持った偽物』と思っていたので、その可能性に一切言及されなかったのは気になった。

その後、『監禁した時に首輪をつけたからくっきり跡が残る、でもグレグソンには跡がない。だから偽物』と、自分が想定した話にはなるものの、やはり最初にその可能性についても提示してくれた方が話の流れとして自然だと思った。

裁判が一旦中断となり、死神の正体が個人ではなく組織であり、グレグソンが頭脳、実行犯がアン・サッシャーであることがバンジークス卿より明かされる。ついでに、ホームズの相棒が御琴羽教授であることも明かされる。一気に色々と明かされるのでちょっと胃もたれ気味になる。

 

5話

前回の事件の続き。

「どう見ても黒幕はヴォルテックス卿だろうなぁ」と思いつつ、慈獄も行方不明だったりあまり掘り下げられていなかったので「黒幕もありえるか・・・?」と思っていた。

アイリスから人形を貰い「どうしようもなくなったら人形の耳を引っ張れ」とドラえもんみたいなことを言われる。

ヴォルテックス卿が検事として登場するかと思いきや、裁判長として登場。普段会話している時のヴォルテックス卿は威圧感があるけど、裁判長になるとなんか可愛げが出てくる。「・・・早く言え」とか「・・・私に献杯するな」とか。

『成歩堂龍ノ介の覺悟』というタイトルで、成歩堂の覚悟が決まるきっかけが『ジーナの叫び』というのがなんか洒落てて好き。『死神の今回の目標は慈獄であり、身の安全が危ない』という話から30分中断になる。そして、なぜかこのタイミングで人形の耳を引っ張る。まだどうしようもないという感じではなかったので「もう引っ張るの!?」と驚いた。

人形の正体は電話機であり、裁判途中で船にいる御琴羽教授の視点に切り替わる。裁判の途中で探偵パートに戻り、かつ新しい視点に切り替わる演出は面白かった。御琴羽教授の視点で調査をして「後は頼みましたよ」と謎を深めつつ、成歩堂に託す構図がアツい。

グレグソン警部の遺体について『現場写真で丸まっているからその場で撃たれたとはいえない』という話はどうにもスッキリしなかった。それこそ犯人の偽装かもしれないし、絶対丸まらないとも言い切れない。そもそも「だったら証拠写真が出たタイミングで指摘しろよ」と思う。議論が煮詰まってきた今になって持ち出す話ではないと思った。

グレグソン刑事がトランクで運ばれてきたのは4話時点で察しが付いたが、その犯人が慈獄なのは全く予想外だった。ただ、船の冷蔵室に遺体を隠す必要があるため『船員はグル以外ありえない』と思っていたら、そういった事情が特に語られなかった。客が冷蔵室に入れちゃダメでしょ。

結局、死神の正体は順当にヴォルテックス卿であることが判明。ヴォルテックス卿が裁判を強制的に終了しようとした時『ホームズくるんじゃね?』と思っていたら、やっぱりきた!!!!!もう結構ホームズは法廷に乱入してる気がするけど、毎回テンションが上がる。そして御琴羽教授が証人として登場。正直、最初はこんなに重要キャラになるとは思っていなかった。

亜双義玄真は『家族や正義のために沈黙を選んだ』といったような理由かと思っていたら『脱獄できるから受け入れた』とのこと。なんか思ってたのと違うな・・・?自分の利益とかを気にしないタイプだと思っていたので、『身の保全が保証されてたから』という話だとちょっと小者感を感じてしまった。

慈獄がバンジークス卿に利用されており、玄真を日本に帰すつもりだったが、ドレッバーに目撃され「今すぐ玄真を打つのだ!」と指示するが、これは逆じゃないか?口封じをするなら目撃者であるドレッバーの方を処理するべき。ドレッバーさえ始末しておけば『プロフェッサーが蘇った』という話は明るみにならないし、玄真を狙うことに何かメリットがあるのか。慈獄に手を汚させて弱みを握るためだったとしても、脱獄逃亡に加担させている時点で十分な弱みになってるし。ちょっと疑問が浮かぶ場面だった。

ヴァンジークス卿が「お前は闇に隠れてただけで何もしていない」という追及を盾にとって反撃してくるのは賢さと執念を感じて良い。そして、この最後のタイミングで人形の耳を引っ張るのは、前回より「ここぞ」感があって良かった。

人形が電話機だったし、この裁判は『極秘』と念を押されていたので、『この内容を外に中継してるんじゃないか』と思っていたら予想的中。女王陛下に生中継していた。ただ、あくまでも個人的には『ロンドン市民全体への生中継』の方が好みだった。今までの事件を総括して「そんなにロンドンの民は弱くない」「思い上がるな」のように、今までの出来事を踏まえた追及の方が、集大成感があって好きだったかもしれない。

裁判後、アイリスの父親がバンジークスの兄『クリムト・バンジークス』であることが明かされる。これは予想外だった。やられた。殺人鬼の子供にさせないために亜双義玄真、御琴羽教授、ホームズと託されることになったと納得。考えてみればアイリスの年齢はちょうど10歳。この辺は納得感があって気持ち良かった。まぁアイリス母が出産寸前に病院行かずに一人で家にいるのかはよくわからなかったけど。

最後のエンディングも爽快感があり、各キャラクターの後日談的なものも用意されているのが嬉しい。

 

既知のキャラクターによる「事件への没入感」

前作『1』からのキャラクターが何かしらの形で事件に多く登場するため、事件に対する関心や感情移入は高くなっていたと感じる。従来の『逆転裁判』シリーズの弱点と感じていた「主人公と無関係の人物の事件に関心が持てない」という点がある程度克服されている。

ただ、裏を返すと「主要キャラクターは退場しない」というメタ的な予想がついてしまう部分は、依然として弱点として存在している。

陪審員制度

今作も継続された『陪審員制度』については、前作『1』に引き続きワンパターンであり、相変わらず不要だった。

制作側としてはマンネリ防止として導入したのかもしれないが、マンネリを防止するためのシステム自体がマンネリ化しているという、なんとも皮肉な結果になっていた。

構成

全ての事件が「プロフェッサー事件」という一つの軸へと繋がっていく構成は綺麗で、納得感あった。「死神」の正体、アイリスの父親、寿沙都が急遽帰国することになった理由、前作『1』で提示された4人の名前など、それら全ての謎が最後に紐解かれていく気持ち良さがあった。

ただ、『逆転裁判』シリーズ全体に言えることだが、「伏線回収」というより「謎の解明」としての側面が強く、自分の好みとは若干ズレる。

外れないストーリー展開

プロフェッサーの正体がバンジークスの兄だったことや、慈獄が共犯だった点など、予想外だった展開も多々あった。

しかし、全てを陰で操っていた黒幕がヴォルテックス卿だった点については、予想通り感が否めなかった。なんなら、前作『1』でロンドンに到着して初対面を果たした瞬間から黒幕にしか見えなかったため、ストーリー的な意外性は薄かった。いっそのこと「ヴォルテックスは本当にただの厳格な司法長官で、死神とは全く関係なかった」ぐらいの裏切りがあった方が個人的には嬉しかったかもしれない。

物語において「こうなったらアツいな~」という展開が来るとテンションが上がるが「まあ、こうだろうな~」という予想通りの展開が来ると「まぁ、そうだよね」とあまりテンションが上がらず、最後にそういった気持ちになってしまったのが惜しかった。

総評

『大逆転裁判1&2』を最後までプレイして、事件の進め方や証言など違和感を覚える点は多々あり、突然挟まる陪審員の有罪投票はその最たるものだった。ただ、多くの謎を残して終わった『1』に対して、それらの全ての謎を『2』で綺麗に回収したのは好感が持てる。

今まで遊んだ「逆転裁判」シリーズの中では、最も面白かったというのは間違いない。

 

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