
はじめに
こんにちは、Miyaです。
今回は『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』をクリアしたので、感想を記載していきます。
※Switch版でプレイ
※「逆転裁判1~3」までプレイ済み(あんま覚えてない)
結論から言うと、逆転裁判ならではの演出やキャラクターの良さはあるものの、ストーリーの都合でキャラクターたちが不自然に見える行動や言動をさせられている場面が多く、没入しきれない作品だと感じた。
話ごとのクリア時間・評価
1話 3時間30分 / 評価:D
2話 3時間50分 / 評価:D
3話 4時間00分 / 評価:A
4話 6時間00分 /評価:B
5話 10時間50分 / 評価:C
合計:28時間10分
良かった点
気になった点
3Dモデルのキャラクター
ゲーム開始直後にアニメーションが流れてちょっと『レイトンシリーズ』の雰囲気を感じる。
立ち絵が従来のイラストではなく、3Dモデルになっている。最初は違和感あったけどプレイしていく内に慣れた。
成歩堂が机を叩くも「ペチッ」と間が抜けた音しか鳴らず、一瞬手の方を見る動きが面白い。深呼吸の動作や、亜双義が机を叩く音にビクッと驚く仕草など、3Dモデルだからこそ映える表現や動きが活かされており、キャラクターに躍動感を与えている。
話ごとの感想
1話
事件の被告人としていきなり法廷に立つことになる。プレイヤー側は事件の内容が一切分からず、裁判を進めながら謎を解き明かしていく構成。
内容としては『まぁ1話』という感じの事件。「被害者の目の前に座ってた女を身体検査もせず、鞄の中身も見ずに帰しました」なんて時代背景を考慮してもまずありえない。話単体で見ればしょぼい。
「料理が運ばれた時点で既に死んでいた」という話が出てきて「まさか毒殺とか言い出さないよな・・・」と不安に思っていたら毒だった。いやいや、毒を飲んだら何かしら苦しむなり反応するでしょ・・・。周囲の客が気付かない程に何の抵抗もなく瞬時に死ぬ毒と言われても現実味がない。そもそも、ビフテキを頼んだのは被害者じゃないのに、毒を飲んだ後に被害者の手に都合良く火傷の跡が付いているのも意味不明。グラスに毒を盛ったのかと考えていたら、なぜか瓶に毒が入ってる前提の話になり、一切グラスに言及しないのもおかしい。
さらに、警察側で押収した証拠品のステーキ皿に血が付いてるなら、それを警察側が問題視しないのもおかしい。「被害者とは別の卓のステーキ皿に血がべっとりついてて、それを調べもせずにただ証拠品として持ってました♪」ってどういうことだよ。そもそも成歩堂が拾った銃が発砲されていなんだったら、銃を調べればわかるでしょ。
とにかく色々とガバガバ。答えが分かっている問題をダラダラと引き延ばし、アホらしい会話を繰り広げているようにしか見えない。事件も議論も全てが低レベルで「逆転裁判ってこんなに酷かったっけ」と思ってしまった。
2話
いきなり亜双義が死んでて笑ってしまった。また成歩堂が容疑者となるので、調査で誤解を解く話。
「転倒して首が折れた」って・・・さすがに現実味がないんだけど。そもそも、猫の首についてる鈴をどうやって踏み抜くんだ。仮にそんな転び方をしていたとしても「外傷なし」なのも意味不明。打ち身ぐらいにはなってるんじゃないの。
乗客に飲まされた睡眠薬も、大音量のアラームが鳴って大きな揺れが発生しても起きないというご都合っぷり。仮死でもさせてるのか。航海日誌が白紙なのは「眠らされていたから」だと思ったら、乗組員はバッチリ起きてる。それで白紙なのは無能すぎるというか、意味不明すぎる。
結局「足を滑らせた」のではなく「突き飛ばされた」ことが判明するが、どっちでも変わらん。そんなんで人が死んでたまるか。仮に、ニコミナに突き飛ばされて即死なら、なんで左手にイヤリングを握り締めてるんだ。咄嗟に掴んだと言うのであれば、それぐらいの猶予があったなら受け身でも取ればええんちゃうんかい。
1話も2話もひどすぎる。ていうか2話は裁判すらしないし。
3話
ロンドンに到着した場面からアニメーションが始まる。全く関係のない事件を、全く知らない状態で裁判に臨むというとんでも展開。
ただ、1話と2話に比べたら「無理がある」展開はない。この話から急に裁判が難しくなる。ジーナがかわいい。被告人であるメグンダルの曲者感が良いアクセントになっていて、議論が二転三転して今までの中で一番面白い。
提出された証拠の『乗合馬車』の捏造が焦点になる。「いや写真撮ってれば即解決してたんだが???」とは思うものの、これぐらいのご都合主義ならまだ許せる。明らかにメグンダルが真犯人であることはわかっていながら、確証がないため犯人として告発できず、しかもそれを弁護する立場というもどかしさが良かった。
この話の序盤は普通の事件かと思って微妙だったけど、後半に掛けて面白くなっていった。今作の新要素と思われる『陪審員制度』も初めてだったので楽しめた。(最初は。)
4話
いきなりメグンダル死んでてワロタ。この話からアイリスがメインキャラとして登場する。かわいい。
序盤のガリデブの妻に関する話はぶっちゃけ退屈だった。この話辺りから陪審員の中に事件と直接関係のある人物がやたら混ざるようになり、ほぼ証人のような立ち位置になる。なんなら実際に証人に繰り上がることもある。
漱石のヒゲなどの見た目を強調してくるし、焼けた4冊目の本が登場したり、いかにもガリデブを示唆してくるため『これで順当にガリデブが犯人だったらつまらない』と思っていた。一応、そうではなかったので助かった。
パットが犯行現場の偽装を行った件について、ローラが花束を落とした時点で、そこがパットの管理地区かどうかが分かっていないのはちょっと無理がある。ましてや、ローラ本人がパットの担当地区の境界線や交番の位置まで把握していると豪語してるのに。どこを歩いてるか分からないまま歩いてたの?店に向かってたのに?
3話と同様に展開は二転三転するが、完成度は3話の方が高い。偶然に偶然を重ねたご都合主義が目立つからだと思う。ローラが歩いてる歩道がどちら側か分かっていなかったのもそうだし、パットが偽装工作をしている間に誰にも目撃されていないのもそう。
『本を拾ったら落ちてきたナイフが背中に刺さった』というのはまだ許せる。偶然だとしても一応起こり得るから。それよりも『被害者は本を拾う際に明確に屈んでるはずなのに、それを漱石もローラもパットも誰一人見ていない、言及しない』というのが明確なご都合主義が透けてて嫌い。ナイフが落ちてくるのも、ローラとパットには絶対見えてるはずだし。
5話
アイリスが常にニコニコして喋ってくれるだけで気分が良い。
質屋に30分に1回撮影されるあからさまな防犯カメラが登場。もう絶対ここで事件起きますやん・・・。事件発生の途中でアニメーションが入るのは臨場感あって良かった。
予想通りハッチが死亡し、ジーナが犯人として疑われる。ここからアイリスがサポート役になってくれるのはかなりテンションが上がった。寿沙都さんが嫌なわけではないけど、普段の捜査や裁判などの景色が違ったものに見えてくる。
今回の事件では、相手の検事が誰になるのか一切話題に挙がらなかったため、バンジークス以外の検事が出てくるのかと思いきや、普通にしれっと出てきて笑ってしまった。
1話で「拳銃の火薬の跡」の話を一切しなかったのにも関わらず、5話ではその話を持ち出してきたのは気になった。日本と英国で場所が違うけど。
「机の上の者を動かしたのがティンピラー兄弟で、ジーナとハッチではない」という話はしっくりこない。そりゃその可能性が高いけど、それこそ証拠ないだろっていう。普段「証拠がないと~」と言ってるくせに、コレはいいんかい。
序盤の議論はティンピラー兄弟の嘘がむちゃくちゃすぎておもんない。わからない嘘じゃなくて、態度ですぐわかる嘘は見てて冷める。キャラクターとしての魅力を感じない。そういった点ではメグンダルは良かった。
そもそも、一番の参考人である容疑者の話を全く聞かないのはなぜ。「ジーナがなぜ気を失っていたのか」なんて一番最初に確認すべきポイントなのに、そこを有耶無耶にしたまま裁判が進むのがめちゃめちゃ気持ち悪い。あまりの不自然さに「逆転裁判の世界では被告人からの話を聞いちゃいけないルールでもあんの?」という余計な疑問まで浮かんできて、わざわざ調べたレベル。
結局、他の話では普通に被告人から話を聞くところから始まってるものもあるし、そう考えると今回ジーナからの聞き取りがないのは、ただの展開上の都合でしかない。しょうもな。
その後、ホームズは銃弾が直接当たったのではなく、ポーチが破裂して負傷していたことが判明。
だったらその試験管の残骸がないとおかしいやろがーーーーーい
ついでに、事件に関係しまくってるホームズのポーチを押収しといて、爆発までしてる形跡があるのに「一切調べてませんでしたw」はさすがに通らないだろ。1話の血が付着したステーキ皿と同レベル。酷すぎる。
ジーナが倉庫にいた理由は置いといて「なぜ銃を持って気を失ってたのか」の真相が「死体を見て気が遠くなった」って・・・。
都合の良い気絶ですなぁぁあああ!?
ここが一番トリックの見せ所というか「ジーナが犯人じゃない場合、どうやって密室を作ったのか」という、シナリオとしての腕の見せどころだと思っていたのに「自分で鍵かけて気を失っちゃいました♪」って、ふざけるのも大概にしろよ。
クログレイの腕のキズについて、どうやってそこの話題に持っていくのかと思っていたらティンピラーの失言がクリティカルすぎて呆気ないし。メグンダルの偽証でジーナが追及されるのは良いけど、これで成歩堂まで追及されるのおかしいだろ。だったら今までの裁判で散々噓つきまくってた証人に寄り添いまくってる検事側も罰しろよ。
最後のクログレイの証言について
店主氏がネミーを突きとばしたとき。‥‥腕にスルドイ痛みが走ったのです!
店主氏の後を追って、トビラの小さな“のぞき窓”から部屋の中を見た瞬間。
黒い外套コートを着た被告人が、背を向けて逃げようとする店主氏を撃ったのです!
店主氏の背中から飛んだ血が、被告人の外套コートにかかるのが、ハッキリ見えました。
被告人は、“のぞき窓”から拳銃を投げ捨てたので‥‥拾って逃げました。
こんな矛盾だらけの最後の悪あがきの証言に対して、成歩堂が「このままじゃヤバい・・・!」ってあたかも芯を喰った証言扱いしてるのが意味不明。
仮に証言通りだとしたら、以下のように不可解な点だらけ。
・それを拾ったクログレイがなぜかそのまま逃げている
・しかも警察にも通報せず黙って次の日には普通に出勤している
・ジーナはハッチの銃を持って発見されたため、なぜか片方の銃だけ捨てたことになる
これだけ意味わからん行動だらけになるのにだーーーーれもツッコまない。
「コートに付着した血痕」についても、当時の技術では誰の血痕かを調べることは出来ないにせよ、どう見てもクログレイが一番怪しい状況なのに、苦し紛れの言い訳がそのまま通ってしまうのが違和感しかない。もはやクログレイも被告人の一人のようなものだから、「コートに付着しているのがハッチの血である」と主張したクレイグレイ側が証明しなきゃおかしい。なのに一方的に弁護側に証明を求められるのが腹立つ。
で、極めつけは陪審員。このクログレイの証言に対して「流石にこの期に及んでそんな言い分は怪しい」「いやでも証拠はないから嘘とは言い切れないかも」のように、賛否が拮抗する展開になるならまだわかる。
しかし、陪審員は即決で全員「有罪」に投票。アホすぎてバカバカしい。なんだこの展開。今まで何を聞いていたの?陪審員がアホすぎて冷める。
その後、グレグソンが2枚目のディスクを条件に、クログレイと取引してるのはすぐ分かるが、ここでの証拠品として「オルゴール」を選ぶのか、2枚目のディスクを預けた「交換書」を選ぶかで悩む。「まぁどっちも同じ意味だろ」と思って「交換書」を選んだらボロカスに怒られる。その後、オルゴールを選んだら「なんだとおおおおお!!!!」って(笑) どっちも同じ物を指してますけど(笑)
『魔法少女ノ魔女裁判』では惜しい回答を選んだら、それに応じた専用の会話が流れるからその点は良かったなぁ。

グレグソンがわざわざクログレイの偽証を手伝ってまで、その場でディスクを回収しようとするのもよくわからん。逮捕してから回収すりゃええやん・・・。元々、捜査の時には大々的に「メグンダルの遺品は全て警察で預かる」と豪語してたにも関わらず、ここで無理やり回収しようとしているのは話としての整合性がない。しかもやってること、ジーナを身代わりにして殺すようなもんだし。偽証よりもそっちの方がドン引きだった。
話としてのボリュームは申し分ないけど、全体的にご都合主義とキャラクターの思考停止で無理やり話を成立させている残念な印象。ホームズが助けに来てくれる場面は良かったけどそれ以外は普通。
そんなことを言っておきつつ、裁判後のジーナと成歩堂の「なぜ信じてくれたのか」という会話で「亜双義が俺を信頼してくれた、俺もちょっと疑ったけど。でもずっと信頼してくれてた。」と話をするところはちょっと泣きそうだった。
総評
振り返ってみると、話ごとに変化を加えて、飽きさせないように工夫をしている印象を受けた。
2話:裁判がなく探偵パートのみ
3話:探偵パートがなく裁判のみ
4話:オーソドックスな構成
5話:助手が寿沙都からアイリスに変更
従来の『逆転裁判』シリーズに登場するキャラクターは奇天烈なキャラクターが多く「そんな奴が法廷にいてたまるか」というコミカルさがあったが『大逆転裁判』では少し緩和している印象を受ける。
また、19世紀末という時代背景の制約により、監視カメラ、指紋検証、血液検査といった現代的な捜査がほぼできない。この設定自体は面白いが、その制限を上手く活用したトリックやロジックが組み立てられていたかというと、やや物足りなさを感じる。
新要素の『陪審員制度』は「窮地に追い込まれてからの逆転」という爽快感があり、最初は面白かった。しかし、『全員有罪からの「最終弁論」で覆す』という固定化されたパターンしか存在せず、段々と作業感が出てくる。1回ぐらい『全員が有罪に流れていく中で、1人だけ異議を唱える有能な陪審員』のような熱い展開を期待していたが、そんなことは一切なかった。急に「陪審員の意見が一致しましたぞォ!」とか言いながら一斉に有罪を投じてくる、ただただ不快な存在に成り果てたので、もう少し魅せ方を工夫してほしかった。
何より、全体を通して「あからさまなご都合主義」が目立った。「偶然ナイフが刺さる」「偶然陪審員に事件関係者が混ざっている」といったものは許容できる。しかし、「絶対に気付くはずの違和感を見落とす」「警察が押収した証拠をまともに調べてすらいない」といった『雑さ』は没入感をなくし、「ああ、所詮はこの程度のシナリオなのか」と興醒めしてしまう。
メインストーリーや、各事件のアイデア自体には面白いものが多くあり、魅力的なキャラクターも多いだけに、警察組織の描写や劇中の人物行動におけるリアリティ・説得力のなさが浮き彫りになり、非常に勿体なさを感じる作品だった。


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